cronos雑記

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[PSoC Advent Calendar 2016 14日目] 絶縁PSoCライタ

by on 12月.14, 2016, under PSoC

こんにちは。 cronosです。
PSoC Advent Calendar 2016 14日目の記事です。
http://www.adventar.org/calendars/1796

PSoCまつり2016に参加した後の反省会の中で出たお話。
「cronosさん、次は絶縁PSoCライタとかどうですかね?」
C「おーいいですね! 3週間頂ければ作りますよ!」

…などと、気軽に請けてしまったところからお話は始まります。
PSoCアドベントカレンダなので、PSoCを使う話を書くべき所ではありますが
PSoCを使うためのツールの紹介と、その製作過程について書いてみたいと思います。

●PSoCライタとは

CypressのPSoCシリーズは、PSoC1, PSoC3,PSoC4そしてPSoC5LPと多くの種類があります。
PCで開発した回路やプログラムを書き込むツール、開発中にデバッグをするツールとしてPSoCライタというものがあります。

・絶縁PSoCライタ・デバッガ

KitProg1をベースに、ターゲットとPCの間をトランスで完全に絶縁したPSoCライタ・デバッガ(以降PSoCライタと呼びます)です。 ケースに入った完成品として最安(JPY6000, USD60)のツールです。
PSoC3/4/5LPに対応しています。(1はサポートしていません。)

ターゲット側電源はターゲットから供給してもらいます。ライタから電源を供給するモードはサポートしません。 なぜならターゲット基板にも電源回路が載っていて、その電源の出力側から供給する形になるため最悪は電源回路を壊してしまう恐れがあるためです。 また、USBで十分な電力を供給出来ないターゲット(USBで供給出来ない電力を消費するターゲットは沢山ありますね。)に対して供給しようとすることで、デバッガ自体を破損したりターゲットの動作が不安定になったりとあまり良い事が起こらないためです。

サイズはminiProg3の約2/3です。
USBコネクタには入手が難しくなりつつあるminiUSBコネクタに代えてmicroUSBコネクタを採用しています。

現在、絶縁PSoCライタ・デバッガはモータを含むメカトロ系の開発、工場のライン投入用ツールとして利用されています。
スイッチサイエンス様のマーケットプレイスにて販売しており、近日英語サイトでも公開される予定です。
http://ssci.to/3053

・miniProg3

Cypressの純正品では、miniProg3という製品があります。(USD89)
この製品は、1.5〜5.5Vで動作するPSoC1,3,4,5LPを対象にしたツールです。
SWD, JTAG, I2Cの3つのI/Fを持っていて、ターゲットに電源を供給する機能も持っています。
http://japan.cypress.com/documentation/development-kitsboards/cy8ckit-002-psoc-miniprog3-program-and-debug-kit

今まで私も開発にはminiProg3を購入して利用していました。

実は少し前までBluetoothマウスの開発キット(USD60くらい)にminiProg3が入っていました。
miniProg3を購入するには、このキットを買うのが一番安い方法でした…が、この度製品の終息がアナウンスされてしまいました。

・KitProg

その他にも、CypressさんからCY8CKIT-059というPSoC5LPの評価ボードがUSD10と格安で販売されています。 これにプログラマ・デバッガ機能が付いていて、ターゲットと切り離して単体のデバッガとして使う事が出来ます。(KitProg1と呼ばれています)

しかし、このKitProg1はそのままでは電源電圧が5V固定です。
3.3V電源のターゲットでは基板を改造する必要があります。

 

●製作過程

・ケース探し

最初はケースを探しました。
aliexpressなどで”plastic enclosure”で検索して、サイズ・価格・クオリティのバランスが取れるものを徹底的に探します。
今回は元々USBドングルのような使い方を想定している小型ケースを採用しました。

サンプルが届き、採寸をしたら3D CAD上でモデルを作ります。
使っているCADはOnShapeです。 https://www.onshape.com/jp

・基板設計、試作

ケースの内寸に合う形の基板外形を3D CADで作り、基板CADにインポートします。
設計した回路に従って基板の設計を進めます。

・部品調達、基板製造、部品搭載

この辺りを纏めているのは全て外注だからです。
部品調達・基板製造・部品搭載は、全て深圳の部品商、深圳の基板工場で完結しています。
一部日本から送り込む部品もありましたが、基本的に深圳の部品商から直接工場に送り込んでいます。

電車通勤の移動時間を利用して先方とコミュニケーションをして、見積もりを貰い発注します。
支払いはpaypalを利用しました。(5%程度の手数料が掛かってしまいますが。)
その他の送金方法として銀行間送金(T/T)が有りますが、窓口まで行かなければならない事と想像以上に手数料が高い事から見送りました。

・ボード着荷

ニヤニヤが止まりません。 この日をどれだけ楽しみに待った事か。
ボードの実装品質をチェックしてから通電、ブートローダをマイコンに書き込みんだ後にPSoC Programmerでファームウェアを送り込みます。
幸い、全数良品とする事が出来ました。

・ケース加工

ケースの一部がコネクタに干渉する事が分かっていたので、CNCフライスを利用して削る加工を行います。 ちなみにケースも深圳から調達しています。

・最終組立、出荷検査

ケースにひたすらボードを入れ、検査用ターゲットに接続して動作を確認します。
完成です。 結構手間が掛かるでしょう?

もう少しお時間をいただく事になると思いますが、スイッチサイエンス様を通じて海外発送も出来るように準備を進めています。 → 海外発送に対応しました: https://international.switch-science.com/catalog/3053/

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